歯周病の治療って?
歯周病治療とは、歯周病を引き起こす原因菌を取り除いて症状を改善する治療法です。初期の歯周病であれば、シンプルかつ容易な治療によって改善が期待できます。しかし、進行して歯と歯茎の間の歯周ポケットが深くなると、外科的な処置が必要です。
また、歯周病を引き起こす歯垢や歯石を取り除くだけではなく、歯周病のリスクを高める喫煙や糖尿病などへの対応も欠かせません。
歯周病が進行すると、歯を支える骨が減ることで歯が揺れるようになります。そのまま自然に抜け落ちる恐れがあるため、できるだけ早く治療を始めることが大切です。歯周病は症状に乏しいため、早期発見・早期治療のためにも基本的な知識を身につけておきましょう。
歯周病の分類
歯周病は、進行段階に応じていくつかに分類されています。
歯肉炎
歯茎にのみ炎症が起きた状態です。歯周ポケットの深さが3mm以内と浅いため、歯医者で行う歯のクリーニングと自宅での歯磨きで改善が期待できます。
軽度歯周炎
歯周炎とは、歯茎の内側にまで炎症が広がり、歯を支える顎の骨を溶かした状態です。軽度歯周炎は歯周ポケットの深さが3~4mmで、歯磨きのときに出血するほか、歯茎が腫れぼったく感じます。ただし、無症状のケースも多く、この段階では気づけない可能性があります。
治療では、専用の器具で歯の表面や根の周りについた歯垢と歯石を取り除きます。
中等度歯周炎
歯周ポケットの深さは5~7mmで、この段階では歯を支える骨の1/3~2/3までも溶けています。水がしみる、歯磨きのときに歯茎から出血する、歯茎がたまに腫れる、などさまざまな症状が現れます。
歯周ポケットが深いため、歯石を取り除くときに痛みを感じる場合があります。そのため、痛みを抑える麻酔注射が必要です。また、症例によっては外科手術で処置しなければなりません。
重度歯周炎
歯周ポケットの深さは7mm以上と深く、この段階では歯を支える骨の2/3以上が溶けています。歯を支えられなくなることで歯が揺れたり、硬いものが噛みづらくなったりします。また、歯の周りを押すと口臭の原因になる白い膿が出てくることも特徴です。
歯垢や歯石除去、外科的な治療で改善しない場合は、抜歯が必要になる可能性があります。
このように、歯周病は進行すると歯を失う恐れがあるため、日ごろのメンテナンスで予防することが大切です。
歯周病のセルフチェック
歯周病を早期発見するために、日ごろからセルフチェックをしておきましょう。次の項目に当てはまる数が多いほどに、歯周病のリスクが高くなります。
- 歯磨きのときに歯茎から出血する
- 歯ぐきが赤くなって、ぶよぶよする
- 歯ぐきを押すと白い膿が出る
- 口臭が強くなった
- 口の中がネバつく
- 歯が長くなった気がする
- 歯と歯のすき間が広がった
- 硬いものを噛みづらい
- 歯が揺れる
- 糖尿病にかかっている
歯周病は治るの?
歯周病は不治の病といわれていましたが、現在では進行を抑えることで治療できます。根本的な治療法はありませんが、原因となる歯垢を溜めない、増やさないことで歯周病の予防が可能です。
つまり、毎日の歯磨きを欠かさず、定期的に歯科医院でブラッシング指導を受けることが大切です。ご自分の歯磨きの方法が正しいとは限りません。磨き方のクセによって、いつも同じところが磨けていない場合、そこが歯周病になる恐れがあります。
また、歯茎の内部に入り込んだ歯石を歯科医院で定期的に取り除くことも重要です。もし、歯周病が進行した場合は、状態に応じた適切な治療によって歯茎と骨の状態を整える必要があります。
歯周病は、初期・中期の自覚症状に乏しく、気づいたときには重症化しているケースが少なくありません。このような事態を防ぐためにも、定期的に歯科医院でお口の中をチェックすることが大切です。